「即戦力育成」という言葉の裏

表題について、こんな記事はてなTOPにあり、面白く読みました。

そもそも「即戦力」形成という発想がナンセンスであるということは玄田有史さんが『働く過剰』(NTT出版)でつよく主張している。
「しかし、いったいだれが、グローバル化社会のなかでの人材戦略とは、即戦力人材の活用であると言い出したのだろうか?」(8頁)
業績優良企業の人材戦略は「即戦力人材」とまったく逆である。
「企業競争力を決定するのは、結局のところ、人材であり、そのための教育にある(・・・)逆に、業績の悪化した企業にかぎって、最初に削減するのが教育であり、人材としては即戦力を謳うようになる。即戦力志向とは、つまるところ、育成軽視の別表現にすぎない。」(8−9頁)

なるほど。現在の経営に行き詰まったような大学がしばしば謳い文句にする「即戦力育成」というのは実に胡散臭いお題目だと思っていたら、実は育成コストがかけられない企業からの、「公的教育機関を使って私企業の人材育成部門代わりにさせよう」というオファーをもとにしたものだったわけか。で、そのかわり入社に便宜をはかる、と。
……
「専門学校」というのは本来そのためにある制度だと思うんだけど、どうしてそちらを使わずに「大学」にこだわるのかはなはだ疑問。こういうポリシーのない方針作りが「経営」だと思っているような自称『大学』は、さっさと看板を下ろしていただいていいんじゃないでしょうか。