明日から平常運転

連休中にしたこと。
散歩。
食べ歩き。
休憩。
以上m(_ _)m


充実した休日でした。


そう言えば、相方から「初夏と言えば?」とお題をいただいてふと思い出したのですが、五月と言えばこの句、

日出前五月のポスト町に町に


初句が思い出せず、また誰の句かもどこで見たかも忘れたままずっともやもやしていたのですが、改めて調べると、波郷の句でした。



この句をみると、学生時代、五月の明け方に、自転車で某中小地方都市郊外の目にも鮮やかな住宅街を、なんとなくどこまでもどこまでも走った記憶がよみがえります。日はすっかり明けつつも無人の住宅街は、どことなく非現実的で、そしてなんだか知らない外国の町並みにいるような、不思議な感じを与えてくれました。



ポストが街角にある、というただそれだけの、当たり前の風景を使いながら、「五月のポスト」という本来ありえない言葉同士の組み合わせに、「日出前」という時間を指定することで、人気のない街路に立つポストが奇妙な存在感を放つ一瞬を句にしたこと…そして、その一種奇抜な想像が、風景の非現実感と相俟って読み手の若々しい感性を輝かせる…と言えば穿ちすぎ誉めすぎになるのでしょうか。
しかし、波郷と言えば「人間探求派」、という党派的分類で、どうも病後・晩年の重々しい句が代表とされやすいのですが、がむしゃらに俳句に打ち込んでいた若い時期の俳句の多くに、驚くほど瑞々しい才能のきらめきを見せてくれる句が多いことも見逃せませんね。



今年は、黄金週間が終われば五月もはや半ば。もうすぐ夏がやってきますね。


プラタナス夜もみどりなる夏は来ぬ*1

*1:句はいずれも石田波郷「鶴の眼」(昭和14年)より