『ホリエモンは死にましぇん!』

質問(question:1109214537)の13番で、id:kibashiri氏の日記から「ホリエモンの元部下の話」を読み。思ったこと。

(※注 彼=ホリエモン
私「また、一部で彼を擁護する論調もネットなんかで見られるけど、どう思う?」
K「彼を偶像化すべきではないと思う。俺から言わせれば批判者も賛同者も、本当の彼を知らないんだと思う。」
私「そんなにひどい人間なの?」
K「彼は有能な経営者であり策士であり、評価されるべき人物であることは間違いないと思うよ。ひどい人間ではなくて、彼の行動の原動力、キーワードは『オプティマイズド・最適化』だと思う。最適化された環境を提供して顧客ニーズをつかむ、そのためにあらゆる手段を講じる。彼の行動は彼なりにクリティカルであり、利用できる資源を最適化しつつ活用しているんだ。」
私「じゃあ、ひどい人間じゃないんだ?」
K「その答えは利用される側に立って考えれば自明でしょう。彼は優しい男では決してないってことだよ。田中真紀子と同じで彼から距離を置けば置くほど彼の評価はある意味高くなるけど、彼を良く知る人間ほど彼をよく言う者はいないだろうということさ。」
私「最後に聞くけど、君はなんで堀江氏の会社をやめたの?」
K「ある日真面目な顔で飲み屋で堀江氏に言われたんだ。『Kさん。知ってますか?僕はね、死なないんですよ』 その時俺はついていけないと思ったんだ。」

これを普通に読めば、自分の行動は社会的に最適化された行動であり、彼がやらなくても誰かがやるだろうことを自分はやっているに過ぎないのだ、とそういう意味なんでしょうね。で、これってここしばらく「はてな」を荒らした人々の心中の言い訳と同じなのかなぁ、と。つまり、我々の社会のシステムが今ある形ならば、必ず第二第三のホリエモンが現れる(つまり彼(の行動)はシステムの狭間そのものであり、従って「彼的存在」は一種の不死である)のと同じように、はてなのシステムに弱点がある限りある種のユーザーは必ず存在する、という。
ホリエモン氏は徹底した合理主義と資本主義の信奉者であり、極めつけのニヒリストだということですね。合理的に最善と言えるゲームの手法を駆使して合法的(スレスレ)に利益を追求していくことが、たとえ社会を揺るがすとしても全く意に介さない、という。
「狭いコミュニティ」というレベルでならこの行動は顰蹙を買うのみでしょうね。それは理解しますし、私もそう思います。しかしまた社会という広さでなら、なるほどこの存在は必然だとも言えるでしょう。*1
マーフィーの法則みたいに「起こりうる最悪の状況というのは、それが起こる可能性がある限り、どんなに低い可能性であっても必ず起こる」なんていいますよね。まして人の意志が働くことであれば、「システムには必ず抜け穴が存在し、そして抜け穴がある限り必ず抜け穴を利用する輩は存在する」と思います。経済には余り興味がないのですが、この話で少し「ライブドア騒動の本質とは何か?」が理解できるような気がしました。

*1:一応言っておきますが、別にこれは堀江社長を賞めているわけではありません。