教育再生会議と名乗る素人の集まり

教育再生会議と名乗る居酒屋の常連みたいな集団の出した一次報告について、与党の検討委員会で異論が続出したとか。
ゆとり教育見直しに異論続出(時事通信)
なんというか……、まあ異論が出ても当然かな、と。
ゆとり教育が導入されたのは、生徒の「心」の荒廃が強く問題視されたこと、また、技術の高度化に伴って単純作業能力でなく、昨今PISA調査の読解力で指摘されたような「問題発見、解決能力」の育成が急務だとされたためであって、つまり今現在の教育問題の様々な側面への対処として期待されたためです。別に「内容を削減しましょう。みんなでゆとりを持ちましょう」とかいうお花畑のような政策ではない。
従って、それを批判するのなら、それが解決しようとしていた問題を解決するどのようなビジョンがあるのかを示さなければ説得力がありません。「再生会議」とやらの報告案は、そのような基本的な手続きすら欠いているという点で、論議の対象にすらならないと呼ぶべきシロモノです。*1
ましてや「生徒を殴ればいじめは解決」なんて、どんなドリーマーのご意見なのやら。殴ったり上からのテッテイした管理と強制でいじめがなくなるなら、旧日本軍にはいじめなんて欠片も存在しなかったはずだろうと思うのですが、実際のところどうですかね。歴史に学ばないものは歴史を繰り返すと申します。「再生会議」なるものが、結局のところ安倍内閣が繰り広げたアドバルーンのうちでももっとも無駄なものの一つだった…などと標的になる前に、さっさと店じまいされたらいかがでしょうか。

*1:まあ、報告をとりまとめた事務局は文科省官僚でしょうが、あの会議内容では、さぞかしとりまとめに苦労したことかと、その点については同情します。