自衛隊治安出動？
治安出動という概念に相当するのかどうかよく分かりませんが、「異例な事態」。
自衛隊掃海母艦が沖縄へ（ＯＴＶニュース）
普天間基地の移設にむけて、那覇防衛施設局ではキャンプシュワブ周辺海域で、先月から事前調査の準備作業に着手していて、本格的な調査に向けて、来週にも調査機器を海底に設置するものと見られています。掃海（そうかい）母艦「ぶんご」は、ゴムボートや空気ボンベ、潜水員をのせた後、きょう午前８時３０分頃横須賀港を出港したということです。掃海（そうかい）母艦「ぶんご」は沖縄近海をめざしていて、来週にも行われる調査機器の設置を支援するものと見られています。防衛施設局の事前調査で海上自衛隊が関与するのは極めて異例な事です。（同上リンク先より）
ふーむ。
米軍基地を作る調査の「調査機器の設置を支援する」ために派遣される、と。で、それは誰から誰を「守る」ために仕事をするのか。
掃海艇というのは、本来設置された機雷を除去したりして海域の安全を確保するための船です。それら掃海艇を指揮したり航空掃海を指示したりする旗艦が掃海母艦ですね。全長141m、排水量5,600トンと相当大きな船で、こんなモノが出張してくるというとどんな非常事態なんだと思ってしまいますね。いつのまにか沖縄の海域に、アルカイダが設置した相当量の機雷でもあるんでしょうか？……と思ってしまいそうですが、ご心配なく、そういうことではありません。沖縄の海に「ある」のは、米軍基地敷設反対派のカヌーや木船。調査の邪魔になるこれらのカヌーや船を「掃海」するために、自衛隊は派遣されているのです。
もちろん、国内が暴力的に荒れ狂っていて一般の警察等ではその「力」に対処しきれないといった場合に、特別に戒厳令をひくなりして自衛隊に鎮圧のための特別出動を求める……普通我々が自衛隊の「治安出動」という概念で理解するのはそういう事態です。たとえばゲバ棒や火炎瓶持って暴れてるデモ隊に機動隊が突入する……というのならまあそれなりに理解できます。が、武器を手にしているわけでもない市民の集団にしかも戦車で突入となればもはやこれは「天安門」ですよね。特に暴れ回るわけでもなくただ集まって穏当に抗議している集会に、いきなり装甲車を差し向けて解散させようとする首長がいるとすれば、それが世界のどんな場所であれ相当おかしい事態です。
では、あらためて。
海自掃海母艦の動きに市民団体が警戒
人の鎖で平和への願い
仮にこの人たちがいくらかメルヘンであったりエキセントリックであったり、あるいは彼ら自身だって生活のためにやってるのであって変に美化するのはいかがなものかと思ったとしても、でもこんな人たちに対して自衛隊派遣て おかしくないですか？この政権。自分らが無能だと喧伝しているようなモノ（事実そうなんですが）だと思いますが、マスコミがこの件を余り報道しないのはそれが原因なのでしょうか。
みなさんは、なんとなく漠然と「お上のやることだから」とこの内閣のやることをやさしく放置しておられるんでしょうか。しかしこの政権がやってることは、どうも相当異例でおかしいし、こういうことをする人たちを黙って信頼していれば明日は我が身だと知らなくてはなりません。得体の知れない法律を次々作られ特定の人の都合の良いように憲法を変えられついには……いつか子供たちに責められる日が来るのではないでしょうか。「どうしてあのとき止められなかったのか」「あなたはそのころどんなことを言って毎日を送っていたのか」……その時に「知らなかった」「欺されていた」なんて嘘を吐くことだけはしないようにしたいですね。
（参考）
検証・動かぬ基地
基地建設阻止(blog)
天木直人のブログ
（追記）
コメントで「自衛隊掃海母艦は海中作業を行うだけだ」という主張を見かけたので、追記します。
市民団体の妨害あるから…久間大臣
このように、派遣責任者は「妨害があるから自衛隊を出動させた」と述べております。「妨害」の実態がどのようなものであるかは、上のリンク先をご覧いただいた通りですが、どうしてこの程度の「妨害」に対して「掃海母艦」なのか。どうしてきちんと話し合いのテーブルを用意することができないのか。どうして自衛隊の５０００トンクラスの船を持ち出して恫喝するような真似をしなければいけないのか、さっぱり分かりません。なんというか、よっぽど後ろめたいのか、こういうのカッコ悪ぃよと思うのはそんなにおかしいですか。
（追記２）
基地建設阻止ブログの続報です。
巡視艇にカヌーが転覆させられたりしているそうですね……。
（追記３）
普天間移設、海自支援で調査機器設置…名護沿岸海域
「反対運動」の様子が写真に。
一方、
この日午後、海中で作業をしていたダイバーが、タンクからの空気を吸うため口にくわえたレギュレーターを反対派とみられるダイバーから外されたことが分かり、第１１管区海上保安本部（那覇）が捜査している。けがはなかった。
という部分については事実確認を望みます。双方、感情的になってはいけない。…と端から言うのは簡単ですが……現地はそんな落ち着いた状況でも、もはや無いのでしょうか……。
