自殺は『悪』か?

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いわしの中のリンクにある文芸評論家江藤淳の自殺に関して、思うところがあったので一言。
評論家としての彼を尊敬していたこともあり、第一報を聞いた時は「江藤淳ともあろうものが、妻が死んだくらいで死ぬとは!」という憤りがありましたが、その後彼の遺書を(確か雑誌か何かで紹介していた)見て理解しました。病気で脳が冒され「自分」を保てなくなるという自覚があったこと、「知性」を自らの中心において生きてきた自分にとって「知性」が消えた「生」には意味がないこと、病気をしていた妻の世話が妻の死で終了したこと、以上をもって自殺に至ったという内容だったと思います。
マンガの話になって恐縮ですが、江藤さんの言は偶然ながら(それとも偶然ではないのか)福本伸行氏の描く天才「アカギ」の死をめぐる言葉と同じです。
私はそれを「一つの考え方」として理解できると思います。
自殺を「善か悪か」の二分法で分けようとするのが間違いで、善か悪かで分けられないことなど世の中に沢山あるでしょう。「人を殴る」のは善か悪か? だってそうですし、カニシューマイは善か悪か? とか誰も問いそうにないこともあるし(笑)「善か悪か」という問は、「善だからやる」「悪だからやらない(やるべきではない)」という「選択」がある場合にのみ有効な問ではないでしょうか。あるシチュエーションである行動を起こす、選択肢A,Bがあるけど、どちらをするべきか(するべきではないか)、という状況なら「善悪」を問題にしてもいいかもしれない。ある状況下で、電車で席を譲るべきか、とかね(’ー’)
だから、ある状況なら私は止めるでしょうしある状況なら止めないかもしれない。善悪で区分できるようなことだとは思わないです。