『侯爵夫人は五時に外出した』

question:1123913689
今答えを見つけたのだけど、調べてみると先に答えられていたので残念。
アンドレ・ブルトンシュールレアリスム宣言」の出だし部分に、「小説の書き出しだけを集めたアンソロジー、というある意味馬鹿げた思いつきをポール・ヴァレリーは先頃提案したが」というような内容のあとに次の一節があります。

このような思いつきは、ポール・ヴァレリーにいっそうの名誉をくわえるものである、というのは、彼はさきごろ小説を話題にして、自分にかんするかぎり、「侯爵夫人は五時に外出した」などと書くことはいつまでもこばみつづけたい、と私に確言したものだった。もっとも彼は約束をまもっただろうか?
シュルレアリスム宣言・溶ける魚」巌谷國士訳 岩波文庫'92.6

創作とは想像力に基づくべきであって、かような「報告文体」で小説を書くような自然主義ブンガクみたいなのは滅びてしまえ! ……といった文脈の一文みたいですね。
で、ここを見る限り(確言した、とあるので)そのセリフはブルトンに直接向けられた言葉であって著作物ではない、よって、「ブルトンシュルレアリスム宣言」が正解。または、岩波文庫版の解説にも「(ヴァレリーの)こうした見解は、彼の『カイエ』の中にも示されている。」とありますので、強いて言えばそれが答えということでも良いかと思います。「いわし」がまだ使えなかったので、忘れないうちにメモしてトラックバック