この記事の笑い所がよく分からないのです

【麻生】不信感があると言ったのは誰ですか

(記者)米国のイラク政策や沖縄の基地問題について、久間防衛大臣の一連の発言で、米国側が久間大臣に不信感を持っているとされていますが、麻生大臣はこれについてどのように思われますか。
(大臣)そりゃあ、『不信感を持っておられる』と、オタクの新聞で書いてるのかも知れませんけれども、正面きって「不信感をもってる」と言われた方、誰かいます?
(記者)…。
(大臣)いやまじめに訊いてるんだけど。
そっちは聞いてこっちの質問には答えないってのは一方的ではありませんか?
誰か聞いたことはあります?
(記者)……。
(大臣)いや聞いてるんだよ?
(記者)………。
(大臣)ありません?
(記者)…。
(大臣)ありません?いや声を出せよ声を。
(記者)あ、私がですか?
(大臣)あなたにです。あなたに質問しているんです。
(記者)聞いたことはあります。
(大臣)『あ り ま す』? 誰にです?
(記者)それは…申し上げられません。
(大臣)ああ、そういう話か。

『不信感』というのは、
アメリカが外交ルートで久間発言に関する日本の見解を照会
・日本は外交ルートで「あれは個人的見解であり政府見解ではない」と答弁したらしい
・それについて米報道官が発言して「個人的見解らしい」という説明をした
久間防衛相の発言は「個人的な見解」米報道官(asahi.com)
以上三点から生まれた「解釈」なんですよね?でも、それそんなに不当な解釈とは思えない。記者は「不信感を持っていると推定されますが」と聞けば良かったのだろうか。記者の追及は下手かもしれないけどはぐらかしたい大臣の側が、まあうまくあしらってはぐらかしたというだけのことで、要はこの件に関しては何も知らせないという立場を大臣が取ったということに過ぎないのでは。私としてはこの件に関する外務大臣の認識はむしろ表明するべき事柄に属すると考えていたので意外だったし、どこの新聞の取材であろうが大臣が意地悪く記者の言葉尻を捉えて話をはぐらかしたのは余り嬉しいニュースではない。なのに、みんなはこれがそんなに面白いのだろうか?私の頭が悪いから、この話の笑い所がよくわからないのだろうか。
久間さんの発言は別に失言とかではなく彼の政治的信条に基づくものだと思うのだけど、(参考記事)そういう人であることを理解した上で閣僚に入れているからには「個人的な見解で…」という説明に相当無理があると普通に思うのだが、多分政治的な関係とか色々あるのだろう。頭の悪い私にはよく分からない。けれども、いくつか関係のブログを回ってみても、そのあたりの説明は見あたらない。


…と思っていたら、麻生さん自身は昨日こんなことを言ったらしい。
麻生外相:米イラク政策「幼稚」 講演で発言、日米関係に影響も

 麻生太郎外相は3日、京都市で講演し、米軍のイラク占領政策について「非常に幼稚だった」と述べた。イラク戦争をめぐっては久間章生防衛相が「反米的」とも受け取れる発言を続け、日米関係への影響に懸念が出ている時だけに、麻生外相の発言が波紋を広げる可能性もある。

 麻生外相は「ドンパチが終わった後が大変だということがイラクで分かった。ラムズフェルド(前米国防長官)はやるだけドーンとやったが、占領した後のオペレーション(作戦)としてはまったく非常に幼稚なものであって、なかなかうまくいかなかった」と指摘。

そういう風に思ってるなら、最初から言えばいいのに。…というか、これは久間さんと同じく講演での公の発言なのだけれど、これも閣僚の「個人的な見解」と流されるのだろうか。戦争と占領政策という違いはあるけれども、アメリカの対イラク政策への批判という意味では久間さんの発言より感情的なトーンが強く、かつ、久間さんの発言は安倍さんが「イラク開戦前の認識と理解している」とか上の引用に書いてあったのだけれど、これは確実に占領政策についての言及だし。


まあ、痛いニュースが引用した記事より、こっちの発言の方が数段インパクトがあり重要だと思うけど、先のニュースに爽快さを覚えた人々は、この発言にも諸手をあげて賛成なのかどうなのか(発言の中味というより、現時点でこの発言をするという行為について)ちょっと聞いてみたくはある。まあ、まずは首相のコメントが第一かな。