国会はひどいスタート
某国首相の「給油活動ができなくなったら首相をやめる」とか、一体一国の首相なのかそれともどこかの国の駐日大使なのか分からないような発言が新聞を賑わせている昨日今日ですが、いかがお過ごしでしょうか。
この発言は、要するに「議論や駆け引きの余地なんかないもんね」という、事実上この件についての国会審議の意義否定の発言だと言えるわけですが、これは内閣の総意なのか自民党の総意なのか首相と取り巻きだけの総意なのか、さっぱり見えてきません*1。
そしてまた本日官房長官はこれについて以下のような援護射撃を行いましたが、これが一体首相の応援なのか、むしろますます首相を抜き差しならぬところに追い込んでいるつもりなのか、いずれか判然ともしないのであります*2。
「給油」否決なら衆院で再議決、与謝野官房長官が示唆
与謝野馨官房長官は10日午前の記者会見で、インド洋での自衛隊の給油活動を継続するための法案について「日本国憲法の起草者は衆参の議決が二分されることを十分予測して規定を書いた、普通のこととして使っていい憲法上の規定だ」と述べた。野党が過半数を握る参院で関連法案が否決された場合、衆院で再議決して成立を図る考えを示唆したものだ。(12:40) (NIKKEI NET元記事はこちら)
もし、これが安倍首相ともども「野党と議論する気はない」という意図での発言なら、これまた国会の審議機能の否定であって、官邸主導独裁政治の宣言です。「普通のこととして使っていい」とはよく言ったもので、衆議院の3分の2を握ったら一党独裁が許されると解釈しているということでしょうか。与謝野氏の見識に激しく疑問符がつきます。*3
そこまで異常なことをしなければ、この政権は政権運営ができないのでしょうか。それは自分たちの能力に余程自信が無いということなのでしょうか。民主党と対決姿勢を煽っているつもりなのかもしれませんが、ハッキリ言って今安倍首相サイドが示すべきは「どこまでもリアリスティックに粘り強くかつしたたかな、『大人の政権運営能力』」だと思うのですが、現状で彼らが見せるのが「とにかく受け継いだ金と権力を振りかざして好き勝手やって、だめになったらすぐポイッと投げ出す『お坊ちゃん政治』」でしかないことが残念で仕方ありません。
…と思ったら、同じ人間が今日はこんなことを言ったそうで……
政策実行にあたっては、参院で野党・民主党が第1党となっている現状を踏まえ「野党とも建設的な議論を深め、1つ1つ丁寧に答えを出していくことに全力を尽くす」と述べた。
安倍首相所信表明演説
誰も言わないなら、ハッキリ言ってあげましょう。
この嘘ツキっ