『信用』とは何か?

カードで人生をランク付け? 批判が多いクレジットスコアとは

クレジットスコアという言葉が日本でクローズアップされたのは昨年10月。米国から日本政府に提出される年次改革要望書」の2009年度版にこの言葉が盛り込まれており、各方面の注目が集まった。
(中略)
「クレジットカードの利用履歴に応じて、300点から850点の信用評価点が個人に付けられます。貸し付け業者はその点数を見て、どれだけお金を貸してもいいかを測る目安とします。カネで人間を格付けする、という意味で差別の温床にもなりかねません(森永卓郎)」
(中略)
「米国在住の24歳の知人女性は、カード返済が遅れてスコアが低かったために就職の面接で落とされました。転居時の契約や携帯電話契約の際もスコアの提示を求められます。米国ではスコアが低いと社会生活にも支障をきたすほどなのです」

……


『信用』…という言葉がこういう風に使われることに強烈な違和感。『信用ある人』って、金を借りまくって一応きちんと返す人か、そもそも金を借りたりしない人なのか(多分前者なのだろう)。クレジットカードは一回払い以外では使用しない自分としては、借金して買い物するのが「正しい」ふるまいだというその「クレジット(信用)社会」とやらについていけない気分なんですが、なるほどシホンシュギ的には正しいのかもしんないねー、と思っていたらいつの間にかそれが人生的にも正しいことになっていたようで驚いた。クレジット会社の『良いお客さん』こそがこの社会で『信頼に足る人物』なんだそうだ。



はぁ……



そりゃ日本でも「サラ金でつまんでるような人は銀行に就職できない」という話があるのは知ってる。ある種の仕事においては、「金の扱い方において理性ある振る舞いがあるかないか」が信用の基準になってもいいだろう。でもこれはそういう範囲を軽く逸脱した話だよね。


ちなみに現在でも、信用情報機関のひとつであるCIC(クレジットインフォメーションセンター)に問い合わせれば、自分の信用度を知ることはできるという。早めに現状を把握し、“その時”に備えておくのがよさそうだ。

アホか。



「人を知るにはその人の友人を見よ」と言った人がいる。誠に人間というものをよく知る言葉だ。「君が何を食べているかを言ってみたまえ、君がどんな人間か当てて見せよう」と言った人がいる。ユーモアの中に生きるということの本質をついた言葉だ。
しかし
「君がどんな人間か知りたいので金貸しの意見を聞いてみよう」
とはね!



ホントに[これはひどい]。



狂った時代、狂った社会の風景、極まれりという感じ。いっそ与謝野財務相のようなこと言う人の方がまだまともだよ。
「会社は株主のもの」は誤り 与謝野発言、賛否両論で波紋

中川財務相辞任後のポストも受け継いだ与謝野馨大臣。金融・経済財政担当を含め1人3役をこなし、景気対策まで期待される「影の総理」と呼ばれるようになった。そんな政権の実力者が、2009年2月24日の衆院財務金融委員会で、次のような発言をして論議になっている。

  「一時期、会社は株主のものという誤った考えが広まった。会社は株主のものという考え方は私にはなじまない」

 これは、「世界の常識」とも言われる考え方に、真っ向から反論したものだ。答弁は、共産党の委員が、雇用悪化の中で企業が株主配当の維持を優先していると指摘したことに対して行った。さらに、その中で、「会社のステークホルダーは株主だけでなく、従業員、経営者、お得意さま、下請けなどだ」と説明した。

「金持ってる人間が偉い」という考え、そろそろ何とかしたほうが良いよ。たぶん。