ヒトヲコロスコドモ

神奈川県の知事さんが、某ゲームを有害指定した件で、知事さんのblogが炎上しているそうだ。
コメントを読みに行ったが、まぁ有害指定の理由の述べ方といいコメントへの対応といい、これじゃ炎上するよなという対応。確かに、一つ一つのコメントに対して返事ができないのは当然だが、数多く聞かれている一番肝心なことに何一つ答えないのならそこに「対話」などないし、そんなものはブログではない。記者会見では「反対意見が殺到している=双方向の情報交換」とか述べていますが、それはただ谷の向こうとこちらとで腐った卵を投げ合っているだけ。どちらも相手に届いていないのでは、まだ交流どころか喧嘩にすらなっていない。

1)規制の根拠が曖昧である。(殺人犯がそのゲームをしていたという話もある……というありがちな難癖。「ゲームが有害である」という科学的根拠など無いことは自ら認めている。なぜゲームだけを規制するのかを述べていない。ゲームのわずかな部分だけをもって有害指定したことの正当性を証明できていない。……等)
2)事実認識に誤りが多々見られる(業界規制が存在していないと思っていたらしい。トンデモ説である「ゲーム脳」を真に受けていたらしい。科学的根拠がないと自分でいっている割に、依然として「悪影響の可能性はたくさん指摘されている」と言って、それで片づけてOKだと思っているらしい。そもそもブログの意義を理解していない……等)
3)悪影響が看過できない(非科学性・ヒステリックな度合いにおいて魔女狩りに等しい規制であり、今後への影響を無視できない。)

せめて、以上の三点がコメントを付けている人達による批判の要点であり、しかもこれらについては明らかに知事の側に説明責任がある、ということを理解していない様子。もちろん

1)について:テレビや映画と違って叩きやすい(業界が弱い)。また、ゲームを叩いても票は減らなそう(子どもや選挙にこなさそうな若者からしか批判が来ない。)等
2)について:事実が問題ではなく、イメージのみが問題である。
3)について:余所は余所、うちはうち。うちへの批判にならない限りは無視。

……なんて本音は言えないに決まってるだろうけれど。

とりあえず、批判している人たちはその辺を考慮して、

1)業界を見方につける。あるいは業界に力があることを示唆する。
2)青少年でなく「保護者世代からも批判がある」ことを強調する。あるいは装う(笑)
3)「悪しき前例」として長く残り、今後の政治生命に影響することを忠告する。

といった、もう少し『相手に響く批判』に持ち込むべきでしょうね。
ちなみに、個人的には「人を馬鹿にした政策」だな、という感想です。
規制それ自体への賛成・反対が問題ではなく、創作物を取り締まれば社会がよくなるという発想がもう全然ダメ、という意味で。
誰かが書いてましたが、そんなことをするよりも夜中の10時過ぎにどこでもいい大きな駅の駅前にでも行ってごらん、と。知事さんの好きな、「ゲームなんてしなさそうな『健全』な若者」とやらが沢山いますよ、と。