『評論家』という名の…

「東京は大阪より振り込め詐欺被害が多い」というヤフーニュース。
それ自体はまあいいとして、この記事に関連して発言している評論家（？）の犬養智子という人の発言内容に微妙にカチンと来るモノを感じました。

大阪は商人の町で自分で稼いだ金という意識がベースにある。商人の方が侍より実力があり、権威を信じない。江戸はある意味中央集権で、幕府の権威が強かった侍の町。その尾を引いて、近代化しても役人に従順。だから、東京は制服に弱い。

なんですかこの物凄いステレオタイプによるこじつけは。こういうアヤシイ発言を、『評論家』という権威をかぶせられれただけで素直に信じるというのがもう既に振り込め詐欺被害者そのもののメンタリティだと思うんですが、記事を書いた人間にはそういう配慮は欠片もないものと思われますね。大体何の評論家なんでしょうか、この人は。後の二人（香山リカ(精神科医・評論家)、やくみつる(４コマ漫画家、時事風刺など専門)）はまだ分かるとして、なんで後一人のこの『男女の共生、高齢者問題』の評論家であるはず（参考リンク）の人が東京大阪文化論なんかについて一席ぶっているのか。こういうのが識者のコメントとかいって一人歩きしたりすることに空恐ろしさを感じます。
そもそも「東京人は権威に弱いのではないか」と謙虚に問題提起がしたいなら、変な偏見でこじつけるよりなんで東京なんかより遙かに権威主義・封建主義の塊のような愛知でそれほど被害が少ないのかをまず考察してみるべきです。なのに侍の町だとか将軍様のお膝元とかそういう変なプライドひけらかしげにして、しまいに記事タイトルは『都民はお人よし？』…ってもう、駄目すぎです。反省するつもりがあるなら、つまり権力に盲従してしまうほど東京の民度が低いのだ、くらいのことを言えばいいと思うんですが。