自民党パンフレット<<<<<(越えられない壁)<<<<<ニコニコ宣言

あなたの年金が消えたわけではありません!(自民党パンフレット)
年金、ご安心ください(自民党公式ページ)

(表面)自民党があなたの年金を守ります
(裏面)なぜこのような事態になったのでしょうか…その責任は!
    閣議決定時 →菅直人厚生大臣
    業務開始時 →菅直人厚生大臣 
    法令改正時 →菅直人厚生大臣
    ※現在民主党の代表代行です!!

    常識はずれの労働慣行を当局に認めさせた社保庁労働組合自治労国費評議会民主党の最大支持母体です。
*1


自民党の言ってることのいい加減さ、社会保険庁のいい加減さについては
原簿を破棄せよというおバカな命令を下したのは社会保険庁自身(木走日記)
で詳しく紹介されてるからいいとして…それにしてもこれは、一国の政府与党が政府のしている行政について国民に理解を広める目的で作られた広報パンフレットなんでしょうか、それとも変な(自称)学生サークルのつくったアジビラ*2かなんかですか。発想の貧困さ、具体性の無さ、志の低さ、責任感の欠落具合等々、悲しいことにそのレベルです。いくらそのレベル出身の人が作っているにしても、一国の政府与党が作成するパンフレットとしては余りにも出来が悪い。自民党の公式サイトにおいてあるのでなければ反対勢力による捏造を疑うレベルです。何よりもまず「言葉の美しさ」のレベルにおいて醜い。アジテーションというのがそもそも醜いし、自民党とあの首相が醜くでたらめな広報パンフレットを作るのは別に今に始まったことではないんですが(参考:こちら)、それと比べてもこのパンフレットの言葉の醜さは頭一つ抜けている。



これに比べれば、昨日出されたニコニコ動画の「ニコニコ宣言」や、それをかみ砕いた西村ひろゆき氏の「ニコニコ宣言とは。(ようするに版)」の言葉の方がずっと美しい。

・面白ければ勝ち
web2.0集合知である」とか、人類の知識をデータベース化するだとか、小難しい話をする人たちがいます。
でも、ニコニコは知識やデータといった無機質なものではなく、「ニコニコ」という名前のとおり、感情を動かすサービスでありたいと思っています。
実益になるとか、知識がつくとか、そういうのがあったほうがいいとは思うのですが、何の役にも立たないけど笑えるモノも世の中にはあってもいいと思うのです。

・長けりゃいいってもんじゃない
短歌は、自然や生活や家庭などに人が感じたことをたった31文字に凝縮したものです。
文字数の多寡に関わらず、人間の感情を表した文章である短歌は1000年の後に文化になりました。

そんなわけで、さまざまなモノに対して、感想を残すということは、例え短い一言であっても意味があるのです。

・人が面白いと思うモノ
ネットのサービスというと、コンピューターやサーバの無機質な反応のように感じる人も多いと思います。
ニコニコは、人間同士の感情的なやりとりを紡ぐためのお手伝いをしています。
ニコニコが人と人との会話の仲立ちをすることで、会話を作品としてつくりあげられたらいいなぁと。

ここで語られてるコトバは、「宣言」というむしろ茶化した言い方に現れているように一種の「キレイゴト」であり、従って本人達もこれがキレイゴトだと言うことは半ば以上了解しており、だからこそ誰かを騙そうという積極的な意志で書いているわけではありません。八分の冗談と二分の本気。基本的には「面白いから宣言とかやってみた」レベルでしかないのは分かり切ったことですが、しかしその上で出来るだけマジメにその冗談を遂行しようとしている所に、ホンの少しだけ値打ちがあるかもしれない、そういう語り方でしか今や我々は「マジメ」なことを語ることができない。真面目なフリをした嘘が世の中には跳梁跋扈しているのですから。そういうギリギリの所で、しかも可能な限り平易な言葉でこの宣言は書かれており、その努力が人の胸を打つのです。


それにしても、このブログはよく西村ひろゆき氏を取り上げて賞めますが、別に管理人は西村教というわけではありません。基本的に私の興味の対象は彼の言葉です。彼の言葉がなぜ今、人心を動かす力を持っているのか。つまり、彼の話の内容より彼の発する言葉に興味があるので、要するにある作家のファンのようなものだと思って頂ければ幸いです。

*1:ちなみに、作成者は片山さつき広報局長かというもっぱらの噂。既に自民党内部からも批判が飛んでいるそうで(まだ少しは理性があったようです)このビラを撒くのはやめるそうですが、公式ページからは今のところ削除されておらず、する予定もないということかな…。とりあえず魚拓は取られている模様です。後者のリンク先のブックマークタグもたいがいひどいことになっています。

*2:アジビラって、死語かな…。アジ=アジテーション、ビラは「villa(別荘)」の不動産広告チラシが語源だそうで。要するに『政策宣伝チラシ』ってことなんだけど、ン十年前は大学の学生食堂なんかいくと、いろんな政治系の団体が食堂の上にいろいろとアジテーションの内容を書いたビラを置いてたのです。主にダイニングマットとして使用され卓上の清潔さを守る役目を果たしていましたが、結局ゴミになるので食堂のおばちゃんなんかには余り好評ではなかった模様。