道徳教育?

町村氏「日教組発言、神髄ついた」中山氏かばう魚拓

文科相の町村氏は、日教組について「道徳教育粉砕運動を地方ではまだまだやっている」と指摘。「あれは間違いだったと言わないとうそ。それを言わないもんだからますます今モンスターペアレントがはびこっている」との見方を示した上で、「こういうことをみんなできちんと直そうということを中山氏は言いたかった」と同じ町村派の中山氏を擁護した。


道徳教育……と随分軽々しく一口に言うけれど、右から左へ品物を売るようなやり方で得られるものを大層に「徳」などと呼ぶ必要はないでしょう。どんなにきちんとお辞儀ができてもロボットに「徳」はありません。礼(規範、ルール)は教えられても徳(人格、キャラクター)は教えられないのです。*1
「徳」とは内心からわき上がるもの。大人に範を見て、自ら学び育てるもののことを言います。そして子供は大人を見て育つのですから、大人にできるのは徳の範を示すことです。


『言いたい放題言って責任を投げ出す人間』『尻馬に乗る人間』『すぐ撤回するような発言をする人間』『そのくせ反省しない人間』『悪いことを人のせいにする人間』『陰謀論に染まりやすい人間』……。枚挙にいとまがありません。大人を見て子供が育つならば「教育のガン」とはまさしくこういう輩のことでしょうか。それなら確かに取り締まって頂きたいと思います。


「道徳」教科化見送り…中教審方針「心の問題『なじまず』」
こちら、面白かったです。
私が「道徳(徳育)の教科化」に反対する理由


それにしてもモンスターペアレントの量産まで日教組のせいとか……まあここまでくると、さすがに『ダメな政治家を量産した責任』くらいは取るべきかもしれないと思えてきますね(皮肉)。

*1:たとえば「徳」を重視した孔子は「詩書礼楽」によってそれを養い育てることを提唱しました。「徳とは何か教えろ」「それもきつく教えろ」などという意見は論語のどこを探しても出てこないはずです。与党の方々の教育論というのは、一体どこから出てきてるんでしょうかね。参考:児童に「きつく」道徳教育 与党再生検討会が提言魚拓