「死刑執行された方に対する侮辱」というブーメラン

朝日「死に神」報道に法相激怒 「死刑執行された方に対する侮辱」

死に神」と鳩山法相を表現したのは、18日付朝日新聞夕刊のコラム「素粒子」。約3年の中断を経て死刑執行が再開された平成5年以降の法相の中で、鳩山法相が最も多い13人の死刑執行を行ったことに触れ、「2カ月間隔でゴーサイン出して新記録達成。またの名、死に神」とした。

朝日新聞が18日付夕刊で「死に神」と報道したことについて、鳩山法相は20日の閣議後会見で、「(死刑囚は)犯した犯罪、法の規定によって執行された。死に神に連れていかれたというのは違うと思う。(記事は)執行された方に対する侮辱だと思う」と強く抗議した。


まあ、たとえ正論だとしてもあなたにはそれを言う資格がないよね、という。いつもの。
<死刑>「執行は自動的に」…鳩山法相、辞職後の会見で

鳩山邦夫法相は25日、内閣総辞職後の記者会見で、死刑制度について「判決確定から半年以内に執行するという法の規定が事実上、守られていない。法相が絡まなくても、半年以内に執行することが自動的、客観的に進む方法がないだろうか」などと述べた。法相の信条や宗教的理由で左右される現状に疑問を呈した形だ。
 鳩山法相は「(執行命令書を出す)職責から逃げようというのではなく、『次は誰を執行』という話題になることがいいとは思えない。(確定の)順番なのか、乱数表なのか分からないが、自動的に進んでいけば『次は誰』という話にならない」と続けた。また、法務省が執行の対象者を公表しない現状については、「遺族感情や他の死刑囚の心情などがある」と、公表になじまないとの見解を示した。【坂本高志】

この件の不謹慎さ具合については、以前エントリを書いたことがある(http://d.hatena.ne.jp/jo_30/20070926)ので省略しますが、「自動的に死んでくれたらいいのになあ」などと脳天気な発言をし、まさに自動的に判をつくような執行の進め方をしておいて、批判されたら逆ギレですか。それとも「死に神」というキーワードがそんなに気に入って広めたいということなのか。まあ、本当はそういう見当違いな所にキレてみせることで、執行数の多さとか、明らかにタイミングを狙った政治的な執行とか、そういうことをカモフラージュしたいんだろうな、とは思いますが*1



それにしても、執行対象者を公表しないという方針はいつ変わったのだろうか??と疑問に思って調べたら、なんのことはない、「公表になじまない」と見解を述べたご本人が変えてるという……。この間の経緯について詳細に述べているブログエントリがありましたので紹介しておきます。
死刑執行:処刑者(刑死者)の氏名と執行場所を初めて公表〜前から氏名など判明済みだから、情報公開にならないのだが……。 (Because It's true)
これについても、いろいろと思惑が(主として官僚の)絡んでいるようで。
ほんと、政治の話に触れはじめると人間が暗くなるなあ。

*1:「天然」を疑われるタイプの政治家って、こういう手をよく使いますね